2つの廃墟写真展
昨年の6月、当ギャラリーで『廃墟写真展「痕と跡」』という写真展が開催されました。廃墟写真は見たことがありますが、こんなにまとめて見たのは初めてで、面白いし、好きかもと、そのときに思いました。
そのときの写真展の作家さんから、第2回の「痕と跡」を開催するとご案内をいただきました。そして同時期に別のギャラリーで「滅びの美」という廃墟写真展をやっているというので、両方行ってきました。(すでに会期は終了しています)
まずは「痕と跡」から鑑賞、昨年のジュイエの「痕と跡」と雰囲気は似ていましたが、もう少しおさえた雰囲気で、滅びゆくものの静かさや怖さを感じ、じっくりみているとカラー写真もモノクロ写真に近くなっていくような、そんな感じがしました。
その後、場所を移して「滅びの美」に行きましたが、ここで、あまりの印象の違いに驚きました。小さなテーマパークのような、あるいはおもちゃ箱をひっくり返して好きなものをさがすような、そんな感じなのです。写真だけではなく立体があったり、映像があったり、3Dがあったり、AIをつかったものがあったりで、展示の人数が多かったせいもあり、ごちゃまぜ感はいなめませんでしたが、楽しく鑑賞することができました。なによりも「痕と跡」では無彩色のようにみえたはずだったのに、こちらでは色彩が強く感じられたのが不思議でした。
どちらがいいのかは好みだと思いますが、同じテーマを扱っていて、1枚1枚の写真をみてみれば、それほど印象はかわらないのに、全体の雰囲気はこんなに違っている。
会場に目をうつしてみると、どちらも路面ではないけれど、「痕と跡」には窓があり、「滅びの美」には窓がないので外光は全くはいらない。こんなところにも違いの差があるような気がします。
ギャラリストの自分にとっては、とても勉強になった2つの展示でした。
そして、私に「廃墟写真」の扉を開いてくれて、その世界を発展させてくれた第1回の「痕と跡」の作家さんたちに感謝。

今週の展示は、横山知さ個展「生い先に達つ死の色」。 立体、半立体のミクストメディアの展示。多様な素材を使った面白さ、そしてのびやかさと強さを感じます。これからが楽しみな作家さんです。是非お越しください。10月6日まで